HDK!pixivの私のページの方には載せていたのにこっちに転載するのをすっかり忘れていた、「仮面ライダーキバ×プリキュア5GoGo」の妄想コラボのお話をこっちに転載しま~す!
では、早速スタート!
[エターナル 本部]
世界のどこかにたたずむ巨大な館。そこに、パンクロッカー風の服を来た一人の若い男が訪れていた。
この男の名前は黒子田貞治(くろこだ じょうじ)。少しいわくのついた「ヤバい」人間なのだが…その「ヤバい」黒子田を、屋敷の持ち主である組織の幹部が呼び出したのだ。
黒「…ここか。」
黒子田は屋敷のドアを開け、中に入っていく。
[鑑定室]
屋敷の中にある大量の部屋の中でも、ひときわ巨大な部屋。そこのドアをノックし、黒子田は入っていった。
黒「失礼するぜ。」
ア「…遅かったですね。指定した時刻より、1分と21秒遅れています。」
黒子田のわずかな遅刻を開口一番に指摘した女はアナコンディ。この部屋の持ち主で、組織の「鑑定士」だ。
黒「で、あんたら噂は前々から聞いていたが…俺に奪ってきて欲しいものがあるんだってね?」
ア「はい。今回あなたには…これを、私達の下に持ってきていただきたいのです。」
アナコンディは「ターゲット」の写真を見せる。それを受け取る黒子田。
黒「ふーん…一体何なんだい、こりゃ?俺にゃあ、ただの箱にしか見えねえぞ。」
ア「その箱の名はローズパクト…在り処は分かっているので、早急にお願いします。」
黒「なるほど、そんな名前があるのかい…何だってこんなもん?」
黒子田が疑問を投げかける。するとアナコンディは目から血のように赤く妖しい光を放ち、黒子田を睨みつけた。
ア「あなたがそんなことを知る必要はありません!黙って持ってきなさい!」
黒「わ、わかった!わかった!要らんこと聞いて悪かった!」
ア「…余裕があるなら、プリキュアが今後我々の邪魔をしようと思えなくして下されば報酬を上乗せします。」
黒「…プリキュア?誰だそりゃ?」
ア「この者たちです。」
アナコンディは黒子田に「プリキュア」の顔写真を見せる。
黒「ふんふん…オーケイ。じゃ、この『ローズパクト』っていうのをあんたらが1000万円で買い取る。そんでもって、この写真の『プリキュア』とかいう奴らをブッ殺したら追加で500万。ってことでいいな?」
ア「構いません。」
黒「それじゃ、行ってくるぜ。」
黒子田は「ローズパクト」と「プリキュア」の写真をつかみ、部屋を出て行った。
場面は変わって、ここは湖畔にたたずむアクセサリーショップ、「ナッツハウス」。
そのアクセサリーショップがある建物の居住スペースの居間で、6人の少女がお茶会をしていた。
ピンクの髪の少女、夢原のぞみ。15歳。
ショートカットに程よく日焼けした少女、夏木りん。15歳。
ツインテールに髪をまとめた、活発さのにじみ出る少女、春日野うらら。14歳。
緑色の髪をショートボブにし、一房だけ伸ばした、秋元こまち。16歳
6人の中でもとりわけ背の高い長髪のBB…じゃなかった、少女、水無月かれん。16歳。
そしてポンパドール風な前髪が特徴の少女、美々野くるみ。15歳。
この少女達、見た目はもちろんのこと、学年も性格も好みも全員てんでんバラバラで、どうやっても一緒にいるという状況にはなりえないように見える。しかし、彼女達はある不思議な出会いをきっかけに、かけがえのない仲間になったわけだ。
小「さて、今日は何を買ったんだ~♪」
ナッツハウスに住む青年で、彼女たちが通う、「サンクルミエール学園」の国語教師、小々田コージがのぞみたちと一緒に席に着く。
の「今日のラインナップは…こちらで~す!」
り「ココの大好きなシュークリームもあるよ~。」
のぞみはこまちが持っていた巨大な紙袋を取り上げ、机に中身をぶちまける。紙袋の中身は…大量のお菓子だ。
夏「…ただいま。」
ココこと小々田の相棒、夏も戻る。手にはコーヒーの粉の缶が握られていた。
く「あれ?ナッツ様、その缶は?」
くるみが夏に尋ねる。
夏「これか…散歩していたらコーヒーが美味い喫茶店を見つけたんで、お土産に買ってきた。」
夏はそのまま台所に向かい、コーヒーを淹れ始めた。
甘「ただいま~!」
またまた人がやってくる。今度はのぞみたちの親友の少年、シロップこと甘井シローだ。
う「あ、シロップ~!ちょうどおやつにしようとしてた所なの!一緒に食べる?」
甘「お?食べる食べる!」
毎日のように展開されるいつもの光景。だが、そこに思わぬ乱入者が現れる。
渡「…こんにちは…」
客だ。さらにもう一人。
?「はあ…はあ…はあ…ようやく撒いたか…住所だと…ここで間違いないな。」
何かから逃げてきたのか、パンクロッカー風の男…黒子田が肩で息をしながら客としてナッツハウスに入店する。
小々田「あ、お客さんみたいだ。」
う「あたしが行って来ます!」
あたりをきょろきょろと見渡す黒子田のとなりで、渡はアクセサリーの一つ一つを皿のような目で見ている。
キ「…おい、渡、何してるんだ?」
渡「たまにはバイオリン以外のものも見れば、インスピレーションが得られると思ってね。」
横からコウモリのような生物が渡に話しかけている。明らかに奇妙だが…
うららが居間を出て、黒子田と渡に話しかける。
う「いらっしゃいませ。何をお探しですか?」
渡「……」
渡は見るのに集中していて気づかない。
黒「…ほほう。俺好みのいい女もいるじゃねえか…」
う「あの…」
うららの顔を見て、いやらしく舌なめずりをする黒子田。
黒「俺が欲しいのは…ローズパクトと『メシ』だ!」
黒子田の顔からステンドグラス状の模様が浮かぶ。と同時に、うららのすぐ横から鋭い牙のような物体が出現し、うららの首に突き刺さった!
う「いやあああああ!!」
突然の襲撃に悲鳴を上げるうららの体から、命の「色」がみるみる失われていく。
甘「おらぁ!」
だが間一髪、うららの命の危機を察知したシローが黒子田に飛び掛り、怯ませた。
その隙にかれんとりんがうららの首に刺さった牙を引き抜く。
助かったうららが倒れるのを、こまちが受け止める。
異常な事態に渡も感づいた。
キ「…渡!こいつ…!」
甘「何か来たと思ったら…お前!何もんだ!」
黒「…ほほう。俺好みの『メシ』がこんなに…ローズパクトを盗る前に腹ごしらえだな!」
不敵に笑った黒子田の体が変形し、ワニを思わせる人型の怪物の姿になった。
の「エターナル!?」
黒「…正確には、俺はそいつらに雇われた身だ…連中、どうしても、ここにあるローズパクトっていうのが欲しいらしくてね。」
く「誰があんたなんかに!」
「ローズパクト」…「キュアローズガーデン」への扉を開く鍵となる、伝説の宝物。のぞみの口から出た、「エターナル」という組織はその「ローズパクト」を狙っているのだ。
黒「抵抗するっていうんなら、お前ら食ってやってもいいんだぜ?この家のどこかにあるっていうことは分かってるんだ。」
り「よくもうららを…」
こ「シロップ!あなたはローズパクトを持ってココとナッツを安全な場所へ!」
甘「わかった!」
シローは小々田とナッツがいる奥の部屋に入って窓を開ける。
そして巨大な鳥の姿に変化し、二人を乗せて飛んで行った。
の「みんな!やるよ!」
り・う・こ・か・く「「「「「Yes!」」」」」
のぞみ、りん、うらら、こまち、かれんが携帯電話型アイテム「キュアモ」を取り出し、ボタンを押…そうとするが、
り「って、人いるし!」
あわてて変身アイテムをしまう5人。もし人前で変身して正体がばれたら一大事である。
渡「君達!危ないから下がってて!」
青年に言われ、ここは従ったほうがいいと判断した6人は店の奥に逃げる。
渡「…キバット!」
キ「おっしゃ!キバって行くぜ!…ガブッ!」
渡「変身!」
渡は仮面ライダーキバに変身する。
ドアの隙間から覗いていて変身を目撃していた6人。
こ「ば…ヴァンパイア!?」
キバはそのままワニの怪物に立ち向かっていく。
く「…って!見入ってる場合じゃないわ!加勢しましょう!」
こくりと頷く5人。
の・り・う・こ・か「「「「「プリキュア!メタモルフォーゼ!」」」」」
実は…といっても読者の皆様はご存知だろう。のぞみたちこそ、彼らが言っていた伝説の戦士「プリキュア」なのだ。
そしてもう一人、プリキュアと等しい力を持つ伝説の戦士がもう一人いる…くるみだ。
く「スカイローズ・トランスレイト!」
変身アイテム、「ミルキィパレット」を取り出し、ボタンをペンでタッチするくるみ。
ド「大いなる希望の力!キュアドリーム!」
ル「情熱の赤い炎!キュアルージュ!」
レ「はじけるレモンの香り!キュアレモネード!」
ミ「安らぎの緑の大地…キュアミント!」
ア「知性の青き泉!キュアアクア!」
ド「希望の力と未来の光!」
ド・ル・レ・ミ・ア「「「「「華麗に羽ばたく五つの心!Yes!プリキュア5!」」」」」
ロ「青い薔薇は秘密のしるし!ミルキィローズ!」
ドアを開け、一斉に目の前の怪物に飛びかかる6人。
それに気づいた黒子田は巨大な尻尾を振るい弾き飛ばす。
プリキュアが激突したことで、商品棚がガラガラガッシャーン!!と音を立てて崩れる。
キ「…!渡!こいつら、何者だ!?敵か!?」
驚いて思わず攻撃の手が止まるキバ。
ロ「ハアアア!!」
ローズが踏み込んでパンチを放つが、それをあっさりとかわし、横から顔を殴って怯ませ、腹への膝蹴りで追い討ちをかける。
続いてアクアのドロップキックをよけながらローズを床に叩きつけて踏みつけ、空を蹴ったアクアの脚に噛み付いた。
ア「きゃあああああ!!」
レモネードがアクアを助けようとするも、頭を大きな手でつかまれ壁に叩きつけられる。
黒子田はそのままアクアをドリームたちめがけて放り投げる。アクアを受け止めるルージュとドリーム。
ミ「プリキュア!エメラルドソーサー!」
ミントが必殺技を放つ。巨大な緑色に輝く円盤を作り出し、投げつける技だ。
しかしその渾身の一撃も空しく、硬い背中のうろこに阻まれ決定打にならなかった。
黒「やれやれ…無駄な抵抗しなければ楽に死ねたものを…そんなに暴れられたら…痛めつけたくなるじゃあないか!」
黒子田はさっとルージュとドリームに近づき、両手で二人の頭をつかんで顔面をぶつけ合わせる。ドリームたちの顔からドバァッと血が流れる。
さらにミントの背後をとって関節を極め、肩と肘をありえない方向に無理矢理曲げた。メリメリメリェ!というミントの腕の関節の悲鳴が部屋中に響き渡る。
黒「さあ…泣け…わめけ…命乞いしろ!」
不敵な高笑いを上げる、ワニの怪物。その目は完全に獲物を狩ることよりも、痛めつけることを楽しんでいるもののそれであった。
まだ15±1年しか生きていない6人の頭の中に、ある一文字がリアルに浮かんだ。
「死」。
人生80年と仮定して、彼女達はまだその5分の1しか人生を全うしていない。
決してあきらめないことに定評のあるプリキュアとミルキィローズ。だが、目の前の敵の圧倒的な実力に、心が折れそうになる。「死」が恐怖となってのしかかり、体が動かない。
黒「さあてぇ…次はどんなことをして遊んでやろうかなあ…眼球をえぐり抜いてやろうか…指を噛み千切ってやろうか…腹を裂いて腸(わた)を引きずり出してやろうか…うげえへへえへへ…!」
ドリームの体をつかんで無理矢理立たせ、顔を殴ろうとする黒子田。
キ「…こら!渡!何ボケーッとしてんだ!こいつら助けろ!」
渡「あ…そうだった!」
キバは黒子田の手を蹴り、ドリームの手を離させる。
黒「ぐ…キバ!てめえも俺の邪魔をするかッ!」
バキューン!!
さらに、銃声と共に怪物の体から火花が飛び、怯ませた。
黒「…今度は誰だあ!!俺の楽しみの邪魔をする奴は!」
ナッツハウスの入り口を見ると、立っていたのは…銃のような、剣のような武器を手にした、黒髪に長身の若い男性だった。
?「連続強盗殺人犯、黒子田貞治…まさか、ファンガイアだったとはな。」
黒「!!! …てめえ!…しつけえ野郎だ!」
渡「名護さん!」
男はさっと懐からナックルダスターのような何かを右手で取り出し、左掌に当てた。
「レ・ディ・イ」
名「変身!」
「F・i・s・t・o・n!」
名護と呼ばれた男の全身を光が覆う。それが晴れると、機械的なフォルムの白い鎧の戦士の姿が現れた。
名「その命…神に返しなさい!」
叫ぶと同時に白い鎧は怪物に立ち向かっていくが、
黒「次から次へと…しょうがねえ!先にローズパクトだ!」
黒子田はすぐに逃げてしまった。すぐに追いかける白い鎧。
キバも追いかけようとするが、
キ「渡、待て!先にケガ人をどうにかしろ!」
渡「…そうだね。」
青年は変身を解除して6人を担ぎ上げ、ナッツハウスの居間に寝かせて手当てを始めるのであった。
[ナッツハウス 居間]
一時間ほどたち、傷ついた6人が目覚める。
キ「…お?目覚めたか。」
それぞれに思い思いの治療が施されていたことに気づく6人。
のぞみとりんの顔には叩きつけられた傷の部分に丁寧に絆創膏がはられ、
うららの頭には包帯が巻かれていた。
こまちの腕にはサポーターが付けられ、
噛み付かれたかれんの脚にも包帯が。
くるみも顔に絆創膏がはられていた。
の「あれ?私達…」
り「あのワニの怪物に襲われて…もう一人のお兄さんが変なのになって…」
う「また誰か来て…」
こ「その先のことの記憶が…」
く「思い出せない…」
か「この包帯…誰がやってくれたのかしら?」
キ「おい!渡!この子たちの意識が戻ったぞ!」
そばで見ていたコウモリの存在に気づいたのぞみたち。
く「…キバット!?キバットじゃない?」
なぜかくるみだけこの「キバット」というこのコウモリと面識があるらしい。
が、キバットの方はきょとんとしている。
キ「お前…誰だ?」
く「ほらほら!あたしよ!…そうか、この姿じゃ分からないか。」
ポンッ!という耳に心地いい音と同時に、くるみは20センチほどのぬいぐるみのような姿の生物に変化した。「うわっ」と煙に一瞬怯むキバット。
ミ「ミルクミル!ココ様とナッツ様の準お世話役の…」
キ「ああ!お前か!人間に変身するなんて、いつ間にそんな技…」
くるみに戻るミルク。
渡「あ…みんな、怪我は大丈夫?」
6人分の水をコップに入れて持ってきた渡。
名「ファンガイアに襲われるとは、とんだ災難だったな。」
さっき白い鎧の姿になっていた男もいる。
う「あ、あの…手当てしてくれて、ありがとうございました!これやってくれたのあなたたちですよね?」
うららは自分の頭に巻きつけられた包帯を指差す。
渡「気にしないで。…にしても、名護さん。なんで彼女達は襲われたんですかね?」
名「奴ら…ローズパクトが云々とか言っていたな。それが狙いなのか…」
甘「ローズパクト…これのことか?」
戻ってきていたシローがローズパクトを差し出す。
小「あの男…エターナルの幹部とも何かが違う気配がした…一体何だったんだ?」
当然ではあるが、のぞみたちはファンガイアを見るのは初めてだ。それに渡たちが応える。
キ「まあ…簡単に言うと、人間のライフエナジーを食らう化け物だ。」
名「そして奴はファンガイアの中でも特に質の悪い男で、名は黒子田貞治…私がずっと追っている、ある犯罪組織に盗んだものを売却して稼いでいる連続強盗殺人犯だ。確か組織の名は…『エターナル』。」
のぞみたちには聞き覚えのありすぎる名前だ。エターナルにあんな恐ろしい男が…戦慄する6人。
渡「あの…名護さん。何ですか?その、エターナルって。」
名「そういえば渡君には教えていなかったな。奴らは…世界の価値ある財宝を保護するという名の下でコレクションしている連中。だが、そのやり方は持ち主すら顧みない強引なものばかり。事実上…単なる強盗団だ。」
キ「で、お前らその強盗のファンガイアに襲われたってわけか。」
渡「名護さんを見てにげちゃいましたね。」
名「ああ。結局見失ってしまった。だが…次に来たときは必ずしとめる。」
互いの説明を全て済ませた後、名護はのぞみたちの方に振り返る。
名「奴はまた君達の命とローズパクトとかいうのを狙ってここに来る可能性が高い。」
甘「そっか…確かにさっきは撒けたけど、また来るかもってことか…」
名「うむ。黒子田との戦いは私たちに任せて、君達はこの部屋でじっとしていなさい。」
キ「…あれ、お前らも、前にどっかで見たことがあるような…」
ズンッ!!
と、いきなりの地響き。居間のすぐ近く…おそらく店のスペースからだ。
名「噂をすれば影か…渡くん。」
渡「はい。」
キ「おっしゃ!」
居間のドアを開け、黒子田がいると思われる方に向かう二人と一匹。
[ナッツハウス 店舗スペース]
黒「おらおらおらあぁ!プリキュア!出てこいやあっぁ!ローズパクトとライフエナジーよこしやがれぇええ!」
キ「って言ってのこのこ出てくると思ったか?」
渡、名護、そしてキバットが颯爽と現れる。
黒「はぁ~、またお前らかよ!」
渡「…行くよ。キバット!」
キ「おっしゃ!キバって行くぜ!」
「re,a,d,y」
キ「ガブッ!」
渡・名「「変身!」」
ヴァンパイアこと、仮面ライダーキバと、白い鎧こと、仮面ライダーイクサは目の前の凶悪犯に立ち向かっていく。
プリキュア…のぞみたちはやはりドアの隙間から二人の戦いを覗いていた。
か・く「「…」」
自分達が勝てなかったことで、手を出そうに出せずにいるのを悔しがる6人。
り「あたしたち…このまま黙って見てるしかできないっていうの?」
う「勝てないんじゃあ…なんのためにプリキュアになったのか、わからないです…」
こ「…何か…私達にできること…」
の「…私、行ってくる。」
驚くのぞみ以外の5人。
の「絶対にあきらめない…それが…私たち、プリキュアでしょ!」
り「…はあ、のぞみが言うと妙な説得力あるよね…」
く「…行きますか!」
変身アイテムを構える6人。
の・り・う・こ・か「「「「「プリキュア!メタモルフォーゼ!」」」」」
く「スカイローズ・トランスレイト!」
ド「大いなる希望の力!キュアドリーム!」
ル「情熱の赤い炎!キュアルージュ!」
レ「はじけるレモンの香り!キュアレモネード!」
ミ「安らぎの緑の大地…キュアミント!」
ア「知性の青き泉!キュアアクア!」
ド「希望の力と未来の光!」
ド・ル・レ・ミ・ア「「「「「華麗に羽ばたく五つの心!Yes!プリキュア5!」」」」」
ロ「青い薔薇は秘密のしるし!ミルキィローズ!」
ドアを開け、キバ、イクサに加勢する形で再びワニの怪人に立ち向かうプリキュアとミルキィローズであった。
名「ここでは戦いにくい。外に行くぞ!」
渡「はい!」
イクサとキバはクロコダイルファンガイアを弾き飛ばし、外の湖畔に追い込む。
ロ「やあああああ!!」
続いてローズがジャンプして勢いを付けたパンチを顔面に放つ。
ひるんだクロコダイルをそのままとび蹴りで吹き飛ばした。
キ「お、ミルク!すごいのになってるな!もう傷は大丈夫か!」
ロ「へへっ。あたしたち、諦めの悪さには定評あるのよ。」
名「こいつは…さっきの子か!?」
ク「…俺の鱗にそんな攻撃が効くと思ってんのかぁッ!!」
だが、ローズの会心の蹴りはまるで効いていない。
続いてアクアとレモネードが突撃するも、あっさりと回避するクロコダイル。
ク「バカめ!」
そして大きな口を開け、二人に噛み付こうとした。
シュルルルルル!!
だが、イクサがイクサカリバーを投げつけて口につっかえ棒をしたおかげで難を逃れる。
今度はドリーム、ルージュ、ミントが3人でパンチを放つも、逆立った鱗が拳に突き刺さってダメージを受けてしまう。
ル「普通の攻撃じゃあダメみたいね…だったら!」
ルージュは両腕をクロスさせ、足元に炎の玉を作り出す。
ル「プリキュア!ファイヤーストライク!」
炎の玉を蹴り、クロコダイルファンガイアにぶつけようとするが、あっさりよけられた。
ル「…そんな!」
名「いや!まだだ!」
と、イクサが火の玉の弾道の先に回りこんでいた。そのままライジングイクサに変身し、携帯電話型拳銃、イクサライザーを構える。
名「ファイナルバーニングブラスト!」
ライジングイクサの必殺技、ファイナルライジングブラストをファイヤーストライクに乗せてクロコダイルにぶつけた。
自分も吹き飛ぶが、背後にあった木を蹴って跳ね返り、クロコダイルが被弾した箇所にとび蹴りをいれた。
ビシィッ!!と前面の鱗の鎧にひびが入る。
ド「…効いてる!」
キ「そうか!…もしかしたら!」
キバはガルルフエッスルを取り出し、キバットに吹かせる。
キ「ガルルセイバー!」
狼男を象った剣、ガルルセイバーを召喚、
キ「そこの青いの!こいつをあのファンガイアの体のヒビにぶちこめ!」
アクアに投げ渡した。
ア「…わかったわ!」
アクアは水の弓を作り出し、
ア「プリキュア!ハウリングアロー!」
ガルルセイバーを矢として放った。
ガルルセイバーが突き刺さり、さらにヒビが入っていく。
キ「ほう…やっぱりな…プリキュア!合体攻撃だ!今から俺が呼び出す武器であいつを攻撃しろ!」
名「なるほど。」
ロ「え?そんなことができるの?!」
キ「バッシャーマグナム!」
今度はバッシャーマグナムをミントに手渡す。
ミ「今度は私ね!」
照準を合わせ、
ミ「プリキュア!ウォータースラッシャー!」
「エメラルドソーサー」を「バッシャーアクアトルネード」に乗せてぶつける。
大きく吹き飛びながら体勢を立て直すも、クロコダイルの鱗の鎧は今にも砕け散りそうだった。
キ「次はこれだ!ドッガハンマー!」
巨大な鎚、ドッガハンマーを呼び出し、ミルキィローズに投げ渡す。
ロ「うううぅ…!これ…めちゃくちゃ重い!…よいしょぉ!」
どうにかローズはハンマーを持っているが、ふらふらして足元がおぼつかない。
レ「プリキュア!プリズムチェーン!」
レモネードがファンガイアの動きを止める。
レ「捕らえました!今です!」
ロ「ナイス!レモネード!」
ローズはそのまま電撃をドッガハンマーに纏わせる。
ロ「ミルキィローズ…サンダースラップ!」
ハンマーをジャンプして振り下ろし、クロコダイルの脳天に叩き付けた。
バキッ!…バキバキバキッ!…バッキーンッ!!
ついにクロコダイルの鱗の鎧が音を立てて割れ、クロコダイルは丸裸になってしまう。
ク「ぐぅおおおおおおお…バカな!俺の無敵の鱗の鎧が!なぜだ!さっきまで俺に手も足も出なかったお前らがなぜ圧倒している!」
キ「へっ!簡単だ!…お前が自分以外の誰のためにも戦ってないからだ!」
ク「は?」
ド「私達はみんなでキュアローズガーデンに行くっていう夢を守るために、あなたたちからローズパクトを守ってる!」
名「自分が金儲けをするためだけにローズパクトを奪おうとしているお前が!彼女達に勝つことなど出来るはずもない!…渡くん!とどめを頼む!」
渡「はい!…ドリーム!一緒にやろう!」
ド「…コクッ」
頷いたドリームが空中にクロコダイルを吹き飛ばし、両腕をクロスする。
キバットはウェイクアップフエッスルを口に咥え、吹き鳴らす。
キ「ウェイク・アップ!」
~~~~~♪
空が血のように赤い満月の夜になり、キバの右足の拘束鎖「カテナ」が外される。
渡・キ「「ダークネスムーンブレイク!」」
高く跳ね上がり、上空で「ライダーキック」の体勢になる。
ド「プリキュア!シューティングスター!」
ドリームは下から光の矢となり、クロコダイルに突っ込んでいく。
二人の必殺技が鉢合わせるようにクロコダイルへ命中。現れた巨大な蝶のマークの内側に、「キバマーク」が刻まれる。
結晶と化していくクロコダイルの体。
ク「そんな…そんな…俺が…こんな…こんんなああああ…こんな奴ら…如きにィイイイイイイィッ!!」
ガシャーンッ!!
クロコダイルの体はガラスのように砕け、消滅する。
ゆっくりと地面に降り立つ二人。そのままハイタッチした。
変身を解除したプリキュアと「仮面ライダー」たち。
ナッツハウスで再びアクセサリー観賞にふける渡に、うららが尋ねた。
う「あの…もしかして、あなたたち、巷で噂の仮面ライダーじゃありませんか!?」
名「仮面…」
渡「ライダー?」
キ「…何だ、そりゃ?」
り「仮面ライダー…ああ、この間増子さんが学内新聞で出してた記事に載ってた、あれ?」
りんが自分たちの学内新聞のコピーを出す。
渡「えっと…どれどれ…『人知れず悪と孤独に戦う正義のヒーロー その名は 「仮面ライダー」』?」
名「仮面ライダー…なるほど。私たちのことをそう呼ぶ者がいるのか。」
こ「都市伝説で聞いたことがあるわ。確か35年ほど前からそう呼ばれるヒーローが登場して、その正義の心は世代を超えて脈々と受け継がれているんだとか…」
の「ん?そういえば…あたしが小学生になった年に出てきた、ミカンなんとかっていう怪物と戦った…確か「イチゴ」っていうのを仮面ライダーって呼んでた子が同じクラスにいたような…」
り「…それってもしかして、『未確認生命体第4号』のこと?」
ジト目でりんがつっこむ。
う「4号…ポレポレのおじさんのスクラップブックに載っていた、あの4号ですか!?あれも、仮面ライダーと呼ばれていたんですね。」
「ポレポレ」とは、うららが舞台の初回公演やドラマの撮影のクランクイン、テレビ番組の収録などの前日に験担ぎとして「勝利のカツカレー」を食べに行くカレー屋である。今は亡き彼女の母、春日野まりやがそうしていたということで、うららも母に倣ってそうしているのだ。
名「ポレポレ…ああ、あそこか。その店なら私も知っている。『情熱に燃える激辛カレー』が私のお気に入りだ。」
う「お、名護さん、話せますね~。」
渡「そうか、仮面ライダーって、他にも色んなやつがいるんだ…」
キ「所で…お前ら、ひょっとしてパルミエ王国の王子さんじゃねえか?」
キバットが小々田と夏に尋ねる。
「ギクッ」となる二人。
キ「なるほど。図星だな…ていっ!」
キバットが二人に体当たりして転ばせ、「ココとナッツ」に戻してしまった。
コ「キバット!何するココ!」
ナ「痛いナツ!」
キ「あははは!やっぱりな!ミルクの奴がこんな所にいるし、こいつらもお前らも俺を見てもビビんねえし、変だなと思ったんだ!久しぶり!」
と、怒ったのか、くるみが「がしっ」とキバットを掴んだ。
く「キバット…あなた、ココ様とナッツ様に対して随分無礼なマネをしてくれるわね…」
キ「い、いいじゃねえか!キバット族とパルミエ王族は対等な関係だぞ!…それから!そこの少年!お前もパルミエ人だろ!」
甘「!! …ちぇっ。やっぱりバレてたか。」
シローも忍者のように「ポンッ」と音を出してペンギンのような生物に変化する。
シ「くるみ。キバットが痛がってるロプ。離してやれロプ。」
キ「お前は…確か、パルミエ人の中で一人だけ空が飛べた…」
シ「シロップだロプ。」
キ「そうそう!そんな名前だったな!よろしく!イテテテテテ!」
と、さっき食べ物の話をしていた影響か、「グギュルルルルルルウウゥ…」と誰かのおなかの音が鳴り響いた。
渡「…」
キ「今のは…」
名「誰の腹の音だ…?」
くるみ以外の少女5人が一斉に挙手する。ひっくり返る渡と名護。
渡「名護さん…どうしましょうか?」
キ「どうしようもこうしようもないな…これも何かの縁だ。みんなでどこかに食いにいこう。」
う「あ!あたし!カレーがいいです!」
り「オムライス食べたい!」
の「ナポリタン!」
か「サンドイッチかしら…」
こ「羊羹は?」
のぞみたちは一斉に食べたい物を言い出す。
名「全員見事にバラバラだな…」
渡「…あの、あそこなら大丈夫だと思うんですけど…」
渡が名護になにやら耳打ちする。
名「そうか。確かにあそこなら…では、君達。ついて来なさい。仮面ライダーとプリキュア…共に正義のために戦った祝杯をあげようではないか。」
渡と名護はのぞみたちを連れてある場所へ向かった。
その「ある場所」とは…渡と、名護、および彼の所属する対ファンガイア組織「素晴らしき青空の会」のたまり場、「カフェ マム・ダール」である。
木「いらっしゃい! お、渡くん。知らぬ間に友達たくさんできたね。」
早速、店長の木戸明が渡を冷やかす。
名「ここは喫茶店だから、君達が食べたいものはだいたいあるはずだ。…さあ、食べたいものを注文しなさい。」
の・り・う・こ・か・く「「「「「「はーい!」」」」」」
その日、料理の食材が底を突いてカフェ・マム・ダールは普段より早く店を閉めることになったとさ。
おしまい
なんだかんだで物凄い長い作品になってしまいました。これで、「オールライダー&プリキュアオールスターズ」の前提になる共演が一つ完成したことになります。あと残っているのは、
剣×ふたりは
響鬼×MaxHeart
カブト×Splash☆Star
電王×5(or5GoGo)
W×フレッシュ
W×ハートキャッチ
オーズ×ハートキャッチ
の7つとなりました!…多いよ!
と、ここで一つアナウンスを…
初代と剣、響鬼の共演に関してですが、実はこの4作品を当時ウルトラマン派だった私はあんまり真面目に見ていなかったんです(現在はほぼ完全にライダー派です)。なので、最初の二つの共演は原作をちゃんと見てからにするつもりです。そのことから、考えて発表するのがかなり後になるか、悪い場合には共演方法が思いつかずに、現役時代に共演していないことになる可能性があることを報告しておきます。
カブト×SSの共演手段に関しては、今現在でも思いついていないため、後回しにすることにしていますが、もしかしたら共演した前提がない状態での「オール…」になるかもしれません。
そのことを皆様にご理解いただければ幸いです。