皆さん、またまたお久しぶりでーす!
映画の話をすると言っておきながら前回の更新からもう3ヶ月弱。またまたまた長いこと更新が滞っておりましたごめんなさい!
…というわけで、昨日は7月1日だったので、話題の映画(らしい)、
「聖闘士星矢 Legend of Sanctuary」を見に行って来ました!
そのレビューを書いてみようと思います!
「男坂」「リングにかけろ」などでもお馴染みの漫画家、車田正美さん。
そのデビュー40周年を記念して、世界的人気を誇る同氏の代表作、
「聖闘士星矢」の中でも特に人気の高い「十二宮編」が遂に映画化。
原作者の車田正美先生本人が製作総指揮を担当し、ゲスト声優として城戸沙織役にはももいろクローバーZの佐々木彩夏さん、
城戸光政役には俳優の大杉漣さんをお迎えして、
フルCGにて6月21日に公開されておりました。
という感じに概要は説明すればいいかな。
さて、私の感想なのですが、
この映画を見た後の私の中には、2つの気持ちがぶつかり合っております。
1つ目は、
「原作の方がもっと面白いよね…
でも、スタッフ・キャストみんなすげー頑張ってるじゃん!よくやってくれてるよ!」
2つ目は、
「スタッフ・キャストみんなすげー頑張ってるじゃん!よくやってくれてるよ!…でも、原作の方がもっと面白いよね~」
これが私の端的な感想です。
色々と言う前に、1つこれだけは言いたいので、ツッコミさせて下さい。
原作とアレが違うコレが違うって叩くのやめろ!
「聖闘士星矢十二宮編」は、
アニメでは24時間くらいかけてようやく終了したお話なわけですが、
それを原作通りにやろうとしたら90分じゃまとめられないし、多少展開を曲げざるを得ないことくらい分かれ!
ええ、ええ、分かりますよ。
人によっては「あれ?」ってなる展開があることくらい。
原作で「誰か私の馬になれ」なんて言ってた
沙織さんがこの映画だと何だかしおらしい乙女になってたり、
原作の序盤で星矢のライバル的存在だった
カシオスの出番がゼロだったり、
原作では男だったミロが何故か女性になってたり、
色々と文句言いたいことは分かりますよ勿論!
主役張ってスピンオフ出来るようなやつが90分の中に何十人も出て来て、
尺の都合で1つ1つの戦いが短縮、場合によってはカットされた結果、
心情描写やキャラ同士の因縁とかの掘り下げを放棄しているという所は、
確かに原作にあった魅力がなくなっていて、明らかなマイナスポイントですよ。
原作通りに行かない、カットされた戦いやら展開やらがあったせいで
割りを食っている人がいて、そこが人によっては不満になるかも。
特に、魚座、アンドロメダ座、そして鳳凰座の人はそこんトコロ覚悟して見に行った方がいいです(笑)
でも、でもでも!
私はこの作品について1つ、これは高く評価したいと思う所がある!
それは、「ウジウジ系リブート」をしなかったことです。
平成ライダーとか、シンケンレッドや綾野剛さんが出てたガッチャマンとか、最近のヒーロー番組・映画ではヒーローが戦う理由を見いだせなくなって悩むという展開、よく見ませんか?
今は「リアル化志向」とか言って、ヒーローを戦う理由について悩ませるというのが最近のトレンドなのか?
と思うことが昨今の私には多々あります。
ヒーローがヒーローとしては最強なのに、ヒーローとして頑張れば頑張るほど周りとの関係がこじれて行くのに苦しむ話とか、まあそれはそれはよく見ますよ。自分の中の正義が揺れたりなんていうのも、それこそ「価値観の多様化」ってやつですかね?
ひょっとしたら、ヒーロー番組の作り手の中に、自分が信じる正義の為になりふり構わず戦うとかそういう王道がカッコいいと思えない…
言い方を変えると、
「ヒーローのカッコよさを信じられなくなった」人
(by ライムスター宇多丸師匠)が増えたからのかもしれません。
しかし、私はそんなネガティブ要素は「ヒーローもの」においては最低限にすべきだと考えています。
だって、無敵のヒーローが1人の人間として悩むのならともかく(ハルクとか)、ザコをやっつけるのに精一杯なやつとかが戦う理由が分からない云々言ってても「じゃあやめれば?」ってなって終わりじゃないですか。
事実、2009年のロバート・ダウニーJrがやった「アイアンマン」は、そんなウジウジを取っ払って、
「王道」の真ん中を行って大ヒットしたわけで、私は今でも王道のヒーローってのは必要だと思うのです。
そこんところ、この映画は素晴らしい。
「自分が信じる正義=アテナである城戸沙織を守ること」にどこまでも忠実に戦う星矢たちの姿は、
本当にヒーローしてる!
そしてその「ヒーローさ」を前面に出したことで、「聖闘士星矢」の魅力を壊すことなく発揮し、好印象となっています。
聖闘士星矢の本質であるヒーローさはしっかり出来ているので、私なんかは、
「これ、原作と違う感じになってるけどアリかな?…アリだよなぁ!」
と、不思議と寛容な心で見ることが出来る、
そんな映画でした。
特に、星矢の原作通りの明るい熱血な「いいやつバカ」なキャラと、
彼の映画内でのピクサー的な動き(例えると「トイ・ストーリー」のウッディ的な)が丁度よく合わさって、かなり好感度の高い、可愛いキャラとなっています。
あと、十二宮がある聖域(サンクチュアリ)のデザインが
今作では一新されており、スターウォーズで出て来る
ような空に浮かぶ未来都市的なものになっていて、
これはこれでカッコいいじゃん!
確かに十二宮編前後にあった原作の展開がないし、
十二宮編原作の内容からもかけ離れた展開になるせいで
色々と変になってる部分はありますよ。
それで説明不足と超展開のオンパレードになってるのは認めますよ。
デスマスクが巨蟹宮の亡霊たちにコーラスさせて
ミュージカル始めちゃったのには爆笑でしたよ。
声やってた平田広明さんもノリノリでしたし。
最後にサガがFFのラスボスみたいな巨大モンスターになっちゃったのには笑いましたよ、ええ、ええ。
でも!でもでも!
その点をも含めて、聖闘士星矢としての根底にあるノリがブレていないのでカタルシスも生まれる。私が今年見た映画の中ではプリキュアオールスターズNew Stage3なみの快感でした。
その快感に最後まで漬けてもらう為に、最後のスタッフロールでは女性用シャンプーのCMに流れてるような曲じゃなくてNOBさんのペガサス幻想を流して欲しかった…ということも脇に置いて、
「もうウジウジ悩むヒーローの姿は見たくない!王道の、
信じたものの為に戦うカッコいいヒーローが見たいんだ!」と飢えている人。
特に、聖闘士星矢の原作を全く知らないという人に
こそ、是非見ていただきたい一作でございます!
おすすめです!!!
※書きたいことは他にも色々とあるので、後で色々他の話も投稿予定です。楽しみにしてる人がいたら、お楽しみに!
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映画「聖闘士星矢 Legend of Sanctuary」 感想
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